| |  |  | | 「歌舞伎町に住んでるんですか」とよく驚かれるのですが、僕にとっては一番落ち着く場所なんですよ。そもそも実家が地方都市の歓楽街のまっただ中にある料亭でしたから。アカデミズムのアの字もないような環境でしたが、小さい頃から近所の映画館やストリップ小屋、サパークラブなんかに出前に行ったりしながら、フェデリコ・フェリーニやゴダール、日活や大映、松竹映画とありとあらゆる作品を目にして育ってきました。タダでしたしね。そうした幼い頃の環境が今の僕に与えた影響はけして小さくないと思います。
活動が多彩ですねと、これもよく言われることだけど、音楽やって文章書いて、学校で教えているだけですよ。たとえば、会社経営者にも、絵を描いたり、自分のお店をやったりしたりしている人もいるでしょう。ただ昔からずっと好きだったことが、仕事になってしまっただけ。音楽はもちろん格闘技やファッション、料理などについて文章を書いたりしていますから、興味の対象が幅広い人だと思われているかもしれませんが、知らないことは何にも知らないし、野球にいたってはルールすら知りません。
インターネットって情報を検索するには優れて便利なものだと思うけど、信用できるものではない。テレビもそうだけど、ネットには依存性があるでしょ。今はどちらもほとんど見ません。だからその分、本を読んだりする時間が人よりも多いというだけ。あとは散歩ですね。毎日新宿中を歩いています。
ファッションも昔から好きでした。今の好みは成人した頃からほとんど変わっていません。スタイルは散歩するときと友達と遊ぶとき、パーティーやステージで演奏するときの3パターンぐらいかな。ステージだとやっぱりスーツが多くなりますね。いつもはイタリアっぽい、羽織るような柔らかなものが好み。今回のセッションのような英国系のトラッドなものは珍しいかもしれません。
12月の7日と8日の2日間、「ペペ・トルメント・アスカラール」と「UA」との2つのコラボレーション・ライブがあります。場所はオーチャードホールですから、要するにオペラハウスです。
その人なりの「オペラを観に行くようなお洒落」をして来てほしい。僕のライブはリュクスで勝ち組の人ばっかり来る、とイメージされがちですが、そんなにシンプルな話ではありません。
お金のある無しはドレスアップの精神とは関係ない。その人なりのフォーマルとリュクスというのがあると思いますから。一種の儀式性というのかな。
そもそもオペラをやるようなところでジャズをやること自体が変わった儀式ですよ。日頃ホームパーティーやクルージングを楽しむ人々にも、日々PCの前に張り付いていて、夜になれば死にたくなるような人にも、僕の音楽は届くと思うから、いろんな人に来て楽しんでほしいですね。ドレスアップということの意味を、もっと広げたいです。 | | | | |
| |  |  |  | | きくち・なるよし 1963年6月生まれ。千葉県銚子市出身。私塾「私立ペンギン音楽大学」を主宰。ライブ活動のほか、東京大学教養学部、国立音楽大学、東京芸術大学などで非常勤講師を務める。音楽作品に「野生の思考」などがある。雑誌の連載、ラジオのレギュラーなどの活動も多く、著書に「スペインの宇宙食」ほか。 |  | | ピンドットストライプ柄のスーツ134,400円 シャツ16,800円 タイ9,345円 コサージュ7,245円 シューズ77,000円
/全てクールストラティン(クール ストラティン青山店) | | |
|  |  | | | | 3つボタンのスーツ144,900円 シャツ19,950円 タイ10,290円 チーフ5,040円 ラペルピン29,400円/全てクールストラティン(クール ストラティン青山店) |  |
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