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草の根から始まったこのプロジェクトは大きな話題となり、今年はワールドウォーターデイを締めとする1週間に期間延長され、範囲も全米各都市に広まった。参加レストラン数は全米2300店以上。来年はワールドワイドな展開となり、日本でも開催されるそうだ。

今年のニューヨークの情景はというと、店によって様々。

店先に加盟店ステッカーを貼っているところもあれば、貼っていないところもある。

募金用の容器とポップを置いて小さな募金コーナーを作っているところもあれば、テーブル担当のスタッフが、ちゃんと説明してくれるところもある。その際、お会計とは別に、募金用の小さなカードが用意されていて、裏面に寄付金額を書き入れる。もちろん、定価はない。$1以上は大歓迎。

 
  
クレジットカードで一緒に払えるところもあるが、払えないところもある。こちらは戸惑うが、自由度が高いのはより多くのレストランが参加できるように、という配慮だろう。なんせまだ2回目。広まるにつれて、ルールも発展していくに違いない。

今年のレストラン用手引きによると、期間の11日前までに参加申し込みをすると、6日前までにツールキットが配布される。「集まった寄付金はできるだけ4月22日までに送ってください」とあるので、今年の集計結果が出るまでにはまだしばらくかかりそうだ。

短い期間だが、経験した後、心に小さな変化が起こっているのに気がついた。

ドラッグストアやデリで$1のボトルドウォーターに手を伸ばすと、ふと、「自分が飲み干すこの$1で、一人の子供が40日間安心して水を飲める」ということが心をよぎるのだ。そして、今まではどこか人ごとだった、ボトルとなる石油や輸送エネルギーの大量消費も連想的に思い、今までの無神経さに恥ずかしくなる。

毎日の緊張や楽しみの中で、恵まれない土地の人々のことを常に思い続けるのはなかなか難しい。このイベントが「移ろいやすい」イメージの広告企画から始まったことは、ニューヨークでも隠されがちな感がするが、正直、素晴らしいものは素晴らしい。これからもきっと、たんぽぽの綿毛のように遠くに飛んで行って、人々のエネルギーと各地の水で、すくすく育っていく気がする。きれいな水に恵まれた日本の方々にも頑張ってほしい。

 
  
「ワールドウォーターデイ」は、1992年、リオデジャネイロでの国連会議で生まれた。毎年この日は世界各国で「水」に関する様々な活動が行われる。今年のテーマはサニテーション(公衆衛生)。世界では衛生的なトイレがないために、毎日5000人の子供達がなくなっているという。こちらも切実な問題である。これは「毎日子供で満席になったジャンボジェットが一機墜落するのと同じ。」

セントラルパークで衛生的なトイレへのアクセスの難しさを気づかせるユーモラスなアートワークも行われたので、ちょっとだけ、その様子を。



NILEport NY : Ayano Matsumae

東京大学文学部・美学芸術学科卒業。東京で国内外のアパレル、イベント企画会社等を経て、フリーランスライターとなる。現在ニューヨーク在住、アート、ライフスタイル、フード・カルチャー等をカバー。


   



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