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写真左:Claudette Schreuders (彫刻)、 Todd Herbert(絵)(Jack Shainman Galleryにて)
写真右:Brian Belott(絵本)、Carrie Moyer「Members of the Clan」(Canadaにて)
 
 
  
アーティストのソロショーも多かった。魅力的な作家の作品が手堅く編集されており、ビジネスも好評だったようだ。

例えば、ニューヨークのCheim & Read のブースは、Jenny Holzer をソロで取り上げていた。ホルツァーは 言葉を使うコンセプチュアルアーティスト。自作の文を世界各国の有名な建物や景観に拡大投影するなど、パブリックな空間を利用する大型アートで世界的に知られている。

今回は米国の古い機密書類を元にした LED インスタレーション、テキストを刻んだ大理石のスツール「Survival」シリーズ や絵を展示していたが、作品は完売だったと言う。
  
  
ドイツのGalerie EIGEN +ARTのブースには、ベルリンの若手作家 Maix Mayer のモダン建築の廃墟写真や映像がずらりと並び、端正な美しさが漂っていた。壁紙も建築もチーフ。

会場では、むしろどこかユーモラスな小品が目に飛び込んできた。その中からいくつかをご紹介。

 
  

まず、昨年日本でも個展を開いたブラジルのErnesto Neto(エルネスト・ネト)の新作「Purple seed hole」。 広い空間に一つぽつんと浮いている姿が、哀愁を誘う。「何だ、ネットじゃないか」で済ませてはつまらない。 空間に開いた穴だ!と思えると、 途端に豊かな世界が膨らむ。 空間全体を使ったインスタレーションでは心地よい異空間を編み出すネトであるが、これは見る人の知的想像力次第の作品という気がする。

 
  
Julian Opie( ジュリアン・オピー)のLSDパネル「日本八景」から、「厳島神社に室崎を望む」

一見すると浮世絵だが、近寄ってよく見ると、左画面の湖面に浮かんだ小舟がのんびりと進んで行く。とぼけた悠長さにほっと和む。オピーの作品として有名な歩行者の電光パネルが、別のギャラリーで扱われていた。(日本でも巡回グループ展が始まっているらしい。)

 
  
パリのThaddaeus Ropac ギャラリーのブースで見かけた、Rona Pondickの盆栽。 Pondickは、独特のキモかわいい生き物(と言えるだろうか?)を作品に用いる。枝先の金の実はブロンズでできた人の顔。

オーストリアのErwin Wurmのイモ男とゆるい船

銀のイモ男に、だらりと垂れたボート。この緊張感の全くない緩さに、思わず手を差し伸べたくなる。ヴォルムは、街角で、人とモノ、人と人、モノとモノを1分間で滑稽につなげた「一分間の彫刻」が有名な彫刻家(写真も撮る)で、特にヨーロッパでの人気が高い。

 
   






プレビューの日、ローアーイーストサイドのギャラリー Canada のブースで見かけた、ベージュの無地のビニールパネルが4枚並んでいるだけの作品 。タイトルは「Bread 」。作者のJoe Bradleyは、このベージュに大衆向けパンメーカー「ワンダー・ブレッド」のパン屑を連想したと言うから、人を食っている。「贅沢品としてのアートをからかった、タフな作品」と言うことだが、あまりにも写真映えが悪そうで、この時撮影しなかったのを後で悔いた。後日同じブースを通りかかると、他の美しい作品に差し替えられていた。

売れてこそ、アートショーなのだ。


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NILEport NY : Ayano Matsumae

東京大学文学部・美学芸術学科卒業。東京で国内外のアパレル、イベント企画会社等を経て、フリーランスライターとなる。現在ニューヨーク在住、アート、ライフスタイル、フード・カルチャー等をカバー。


   



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