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もちろん美しく、見た目にも楽しい作品だけではない。見た目は「?」、ひねりがメインとなっているブースもたくさんあった。


 
チェ・ゲバラのポスター、レコード、パソコン、電気ケーブル、ミラーボール、ビールの空き缶、くたびれた本やゴミやタバコの吸い殻まで、全てがバルサ材。ひねり消された吸い殻の曲がり具合、灰の崩れ方までどこまでもリアル。作品タイトルは「The Ideal Home Show 」。

ロンドン在住のDavid Ersserは、生活臭のないイケア(IKEA)のショールームを皮肉って、生活の臭いプンプンの「理想のショールーム」を見せつけたそうだが、むしろ白木でできた部屋は、とても抽象的で、温かみと共にゴーストのような不気味さを放っている。
 
  


  
 
各地で建築とパフォーマンスを融合させた活動を行っているグループ、その名もInternational Festivalの作品は、色とりどりの紙吹雪の中にバーカウンターとスツールが置かれて飲み物が振る舞われる、というもの。紙吹雪を掛け合ったりとブースの中はお祭り気分満載である。「時と空間」が作品であるから、もちろん買いたくても持って帰るのは難しいだろう。
  
  
 
ドイツの故Anna Oppermann(19401993)の「アンサンブル」は、あたかもモニュメントのようで、異彩を放っていた。写真や手描きのスケッチ、黄ばんだ原稿などが飾られている。周囲に貼られた写真をよくみると、それらのセットが写真の中で入れ子状に増殖していて、万華鏡を見ているかのよう。

大学で心理学出身を専攻したオッペルマンは、日常の記録の断片を寄せ集めて(アンサンブル)、それらをある心理的テーマの元にセットして写真を撮り、その写真を使ってまた作品を組み立てて写真を撮るという作業を何十年と繰り返し、彼女が呼ぶところの「環境」を生涯にわたって作り続けた。

執拗に追いかけられる過去を見ていると、なぜか「逃れられない」と観念した気になる。
  

今回は8000人が来場して250万ドル以上を売上げたとのこと。完売のブースが続出し、予想以上の成功で幕を閉じたようだ。

会場は、エンパイアステイトビルディングの斜め向かいのビルの11階。

ここはテーブルトップなどのショールームの入ったビルで、不思議な気がしていたが、背後に、ニューヨークの不動産投資信託会社「Vornado Realty Trust 」の存在があった。 Vornado Realty Trust のユニット会社のひとつ、シカゴの「マーチャンダイズ・マート・プロパティー Inc., 」が、昨年、アーモリーショーとVoltaを手に入れていたのであった。同グループはその前年にアート・シカゴも入手しており、近年積極的にアート界への進出を進めている。



NILEport NY : Ayano Matsumae

東京大学文学部・美学芸術学科卒業。東京で国内外のアパレル、イベント企画会社等を経て、フリーランスライターとなる。現在ニューヨーク在住、アート、ライフスタイル、フード・カルチャー等をカバー。


   



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