トヨタ/レクサスの頂点に立つこのLS600hは、日本以外では生まれ得なかったクルマである。言い換えるなら、他の国では作れないクルマと断言できる。
顧客の気持を汲んで徹底的に満足させるべく考えられ、熟練した人々の手できめ細かく丁寧に作られ、心のこもった完璧なサービス体制を裏付けに世に送られている、それが日本車の美点であるということは今更説明する必要はない。
さらに日本車を日本車たらしめているもう一つの特質がある。先端技術への積極的な挑戦姿勢だ。特に省資源・省燃費のための技術、そして環境安全問題に対する技術においては、近年の日本車は世界をリードするほど熱心に取り組んできた。
LS600hは、綿密な作りと先端技術の実現という、最新の日本車における美点を集約させている。それだけでも現代の日本車を代表する。だがこのクルマで注目すべきは、その裏に日本ならではの伝統的な文化や美学、そして物に対する作り手の思想が流れていることにある。そういう点において、日本のクルマの象徴であり、長い日本のクルマ作りが昇華された姿でもある。
典雅なボディ・スタイリングは単に空力特性や国際的なトレンドを重視しているのではない。子細に観察するなら、驚くほど手の込んだ面や線が多層になって織り込まれ、それらがすべて機能や形の構成に役立っている。専門家でなければ見分けられないような細部にいたるまで、徹底的に造形されているのがレクサス・ボディの魅力である。
これに組み込まれたメカニズムもまた世界の最先端を行くだけでなく、トヨタ独自のものである。ハイブリッド+AWD(四輪駆動)が大きな価値だ。欧米のメーカーに先駆けてトヨタが真っ先に実現したハイブリッド・システムは、すでに10年におよぶ実用化の歴史を重ねてきて、今やライバルを大きく引き離した。単にパワーやトルクで競うだけではなく、最も大切な燃費数値と先端的な安全技術によって圧倒的な優位に立つことで、現在求められている高級車像を先取りした。それがこのクルマの最大の存在意義だろう。
600hに乗ると、誰もがこれまでにはなかった新しい自動車の世界を垣間見るはずだ。電気モーターだけで走っているときは、無音の快楽空間として移動し、いったんV8とモーターがシンクロしたときには、これまでのエンジンと比べると異次元のようなダイナミズムで圧倒する。
日本的なクルマ作りに支えられる優しい空間と、未知の移動世界に招かれたような移動の感動を与えるこのクルマこそ、これからの時代に積極的にコミットしようとしている人たちに相応しい。
| |  |  |  |  |  | | | 究極のインテリアを追求した、本革張りインストルメントパネル。 ハイブリッドならではの静けさに満たされた快適な時間を満喫できる。 | | |
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