ブルーとホワイトで構成されたプロペラ、BMWのエンブレムである。二つの腎臓型グリル、キドニーグリルと呼ばれるBMWのフロントエンドだ。「駆けぬける歓び」、BMWのキャッチフレーズである。
これらはすべてBMWが何物なのか明瞭に物語る。
空の色とプロペラはこのメーカーが航空機エンジン作りの伝統を持っていたことを語り、キドニーグリルもまた翼を思い起こさせる。
そしてキャッチコピーは、その伝統をベースに、より速いクルマ、より走る歓びに溢れたクルマを作ろうというメーカーの姿勢をストレートに伝える。
走る歓びに関して、BMWほど真摯にこれと取り組んでいるメーカーはない。
このミュンヘンのエンジニア集団は、他のどの自動車会社にも増してドライビングのダイナミズムを追求してきた。そしてその歓びの源泉は、何にも増して気持ちの良いエンジン・フィーリングであると信じて、それを実現してきた。それこそ長い年月にわたって航空機エンジンを開発してきたBMWのお家芸でもあるのだ。
ドライバーを刺激し続ける機械の鼓動、スムーズな回転感覚と素晴らしいノート、そんな魅力に溢れたエンジンこそBMWの宝だが、そのBMWのトップに位置するプレスティッジカー、7シリーズもまた、至宝ともいうべきパワーユニットを与えられ、何よりも気持ちのいい走りを目指して作られている。
7シリーズはメルセデスのSクラスやレクサスLSに対抗する大型プレスティッジ・サルーンとして市場に送られている。
だが、それがライバルと異なるのは、何よりもドライビング・ダイナミクスを重視し、そこから得られる運転の歓びをドライバーに与えることを最優先したクルマであるということだ。
ボディは大きく立派なだけではない。戦闘的かつ挑戦的なスタイリングは、これを選ぶであろうユーザーの志向や感覚にぴったり合わせている。
エンジンは伝統を裏切らぬ素晴らしい回転感覚とパワーを発揮するが、このエンジンだけでなく、そのハンドリング、つまり路上における挙動もまたBMWの魅力である。
繊細な感覚のステアリングを操っていくなら、大きなボディはまるで軽量スポーツカーのように軽快に振る舞うし、場合によっては豪快に他車を圧倒して走り抜けようとする。
クルマと過ごしながらも常に機械と対話していたいと願う人、肉体だけでなく知能も使ったスポーツを愛する人なら、年齢や性別を問わず、BMWは最高の相棒になれるはずだ。