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セルジオ ロロ ピアーナ氏セルジオ ロロ ピアーナ氏
セルジオ ロロ ピアーナ氏セルジオ ロロ ピアーナ氏


創業者の成果が本物かどうかはその時代にはわからない。偶然の産物もしくはただの幸運かもしれないからだ。「2代目からが勝負」というわけである。当初のコンセプトを頑固に守りながら、しかし時代の変化にも対応できる、そのフレキシビリティを継承者が受け継いでいくのは実に困難なことなのだ。

だから6代も続けば、本物というより「特別な」「稀有な」という名誉ある評価が下される。たとえばイタリアを代表するブランド「ロロ・ピアーナ(Loro Piana)」である。すでにこのブランドはおよそ200年の歴史をもつ。1975年から先代の、父フランコ ロロ ピアーナから経営権を引き継いだ、共同最高経営責任者兼会長・ピエールルイジ ロロ ピアーナ氏と同副会長・セルジオ ロロ ピアーナ氏は6代目にあたる。

セルジオ氏はこう語る。「私たちのブランドは幅広い層ではなく、品質を重視する意識の高い人たち、時代に流されない自分のスタイルを持つ人たちを対象にしています」。それが「クオリティにこだわりながらビジネスも維持できる理由」だという。

ロロ・ピアーナは1812年の、そもそものスタートから高貴な香りを漂わせていた。貴族の地位にあるファミリーが「最高品質」と「エレガンス」にこだわって起業したからだ。

1924年に設立されたクアローナ(ミラノ郊外)の本社社屋にある、創業当時に使用されていた手動織機が同社の歴史を物語る。 ところで同社を飛躍的に成長させたのはフランコ ロロ ピアーナである。



 

 

 

    

 

 

  

 

 

 

    


消費文化の曙と言われる’60年代にファインウールやカシミヤのような貴重な原毛からつくる高品質な服地をヨーロッパ、米国、日本などの市場に供給し始めたのだ。どこよりもしなやかで繊細な生地、どこも真似できない厳重な製造コントロールを経て生まれる生地は、当然のことながら世界中から高い評価を受け、ロロ・ピアーナ(Loro Piana)の名を一気に高めることになった。

ともすると伝統に甘えることから衰退の道をたどるファミリー・ビジネスだが、ロロ・ピアーナ(Loro Piana)の場合は、セルジオ氏とピエール ルイジ氏にバトンタッチされたことで、さらなる可能性を開くことになる。

卓越したビジネスセンス、時代を読む力、いわば一族の優れたDNAを受けついだ両輪が絡みあうことで、このブランドは生地を供給するだけではなく、ラグジュアリー商品のプロデュースでも揺ぎない地位を確立した。

ファミリーの結束が固くても、やはり、いやファミリーだからこそ、意見や方向性の違いでぶつかり合うことがあるのではないだろうか。しかしセルジオ氏は言う。「たとえば山に登る道は多数あるのに目指す頂上は一つであるのと同じ。さまざまな意見が一族の中にあっても、会社の決定はただ一つ。論争もそこに至るための必然です」と。

「特別でいて控えめそして心地よい」ただ一つの頂上を目指す。ロロ・ピアーナ(Loro Piana)が時代を超えて光輝いている理由がここにある。