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1999年の株式手数料自由化をきっかけに誕生したネット証券は、今や個人投資家の約8割が利用するほど身近な存在となりました。

以前なら、ある程度専門的な知識をもち株式取引をしているヘビーユーザーが中心でしたが、投資を始めるために「とりあえずネット証券に口座を作ってみる」という人が増えるなど、顧客層にも大きな変化が見られます。

それに伴い、ネット証券のビジネスモデルも変わりつつあります。従来は株式売買のトレーディングビジネスによって、より多くのユーザーに、より多くの取引をしてもらうことで収益をあげるというスタイルが主流でした。

しかしアセット系サービスの充実化を図ることが業界のトレンド。株式以外の商品ラインナップの充実は、ネット証券ユーザーの投資スタイルの幅を広げるはずです。ネット証券は新たなステージへと移行しつつあると言えるでしょう。



 
 
くすのき・ゆうじ
広島県生まれ。1986年、広島大学文学部卒業後、日本ディジタルイクイップメント株式会社(現日本ヒューレット・パッカード株式会社)入社。99年、DLJディレクトSFG証券株式会社(現楽天証券株式会社)入社、2006年4月、執行役員最高業務執行責任者(COO)、同年10月、代表取締役社長兼楽天証券経済研究所長就任。
 
 
富裕層のネット証券ユーザーも増えており、株式売買用の資金をネット証券に預けているだけの人から、比較的多額のロットで投資信託を購入する人など、その利用の仕方は実に多様です。

しかし、そこでの取引を投資の中心に据えている人はまだ少ないのが現状です。庶民の味方というイメージの強いネット証券ですが、実は富裕層こそ、その恩恵をより享受することができるのです。

ネット証券のメリットは、その圧倒的なコストパフォーマンスの良さにあります。証券会社の窓口で営業マンが顧客対応する旧来型の証券会社との最大の違いは取引手数料の安さです。

典型的なネット証券なら、たとえば1億円の株取引にかかる売買手数料は、わずか1500円程度。手数料が売買代金に連動する旧来型の証券会社なら、100万円かかってしまうところです。

さらに、投資信託の豊富なラインナップも見逃せないメリットの一つです。たとえば当社の場合、現在360本以上の投資信託(うちBRICsを中心とした海外の新興国ファンドは120~130本)をそろえており、ユーザーが自由に選んでいただける環境が整っています。

その多彩なラインナップの中から、自身の投資スタイルに最適の商品を選ぶことができます。 


よく知られるように、これらの投資信託にはノーロードの商品も多く、有料の場合でも旧来型証券会社の手数料率がより低く設定されています。

たった1%の違いでも、多額の資産を運用する富裕層の場合、その差は無視できないものとなるでしょう。
近頃富裕層に人気の外国債券の取引においても、ネット証券のコストパフォーマンスの良さが際立っています。

たとえば、南アフリカランド債なら、11.5%の利率で提供できていますし、この他にも、トルコ・リラ債(15.5%)や、ロシア・ルーブル債(7.1%)などのような旧来型の証券会社にはない、カッティングエッジなものを、アグレッシブに販売することができます。

それを可能とするのはネット証券ならではのフットワークの軽さです。販売時に営業マンを介在させる必要がないわけですから、たとえば新しい商品を販売するたびに行われる営業マンへの研修も不要です。つまり、意思決定から販売にいたるまでの内部的なハードルが低いため、ユーザーのニーズにスピーディーに応えることができるのです。



これからのネット証券がすべきことは、まずはより多くの商品を棚に並べることだと考えます。投資信託のラインナップがさらに拡充されれば、ユーザーはそこから、販売会社の営業マンのアドバイスに惑わされることなく、自分の好みで自由に商品を購入することができます。

しかし、その反面顧客は商品の吟味により多くの時間をかけなければならなくなる。つまり、忙しい富裕層には、その自由度の高さがデメリットとなりうるわけです。今後は、このデメリットを解消する新たなサービスを準備してまいります。

コストコンシャスに、そしてグローバルに。必要であればアドバイザーを使う。それがネット証券新時代における投資スタイルのスタンダードになるはずです。




 

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