NILEport(ナイルポート)富裕層向けウェブマガジン&会員制SNSコミュニティサイト

 
(c) Bethel Woods Center for the Arts
 
ウッドストック事業の始まりは、まるで作り話のようだ。以下に、まずファウンダーを整理したい。(年齢は1968年当時)

John Roberts( ジョン・ロバーツ、23歳)- ウォール街で働く資産家(実家は裕福なドラッグストアチェーン経営者)
Joel Roseman(ジョエル・ローズマン、23歳)-  弁護士で資産家(実家は裕福な歯科矯正医)学生時代にはギターでバンドツアーに参加したこともある。

Michael Lang(マイケル・ラング、23歳)- ヘッドショップ経営。ロックバンド「Train」のマネージャー。

Artie Kornfeld( アーティー・コーンフェルド、25歳)- キャピタル・レコードの史上最年少の副社長。ヒット曲の作詞も手がける。

1968年3月、ニューヨーク・タイムズとウォールストリート・ジャーナルに風変わりな広告が掲載された。「 Young Men With Unlimited Capital looking for interesting, legitimate investment opportunities and business propositions(無限資本を持つ青年達が、面白くて、正統な投資の機会と事業提案を探している。)」
さすがアメリカ、この怪しげな旨い話にすぐ何千もの人が食いついた。これが23歳のロバーツとローズマンの狂言広告とは知らずに。
 
 
(c) Wade Lawrence / Bethel Woods Center for the Arts
 
 
もちろん、彼らが広告を出したのには理由がある。

ゴルフ場で出会って意気投合した二人は、毎夜「残りの人生何をすべきか」を語り合っていた。出てきた解答は「シットコム(シチュエーション・コメディ)を作り大ヒットさせる」こと。

筋は、「お金は腐るほどあるけど、ちょっと間抜けで、冒険心旺盛な二人の若者がベンチャーキャピタルを立ち上げ、毎回怪しげな事業に飛びついては失敗する。」というもの。

どうやら、アメリカでのベンチャー投資熱は1960年代も変わらなかったようだ。

二人はコメディのネタ探しのためにこの広告を打ったのだった。しかし奇想天外な企画を読みあさるうちに、コメディ作りから実際のベンチャー投資に心が移っていくのを感じるのである。

 
 
 
(c) Wade Lawrence / Bethel Woods Center for the Arts
 
一方その頃、マイアミで大規模な音楽イベントのプロデュースを成功させてニューヨークに戻ったラングは、「Train」を売り込むためにキャピタル・レコードのコーンフェルドに会いに行く。こちらの二人もたちまち意気投合する。二人が抱いた夢は、カウンターカルチャーの集大成となる壮麗なショーを行うこと。そして当時ザ・バンドやボブ・デュランなど多くのミュージシャンが暮らしていたウッドストックに、レコーディング・スタジオを作ることであった。
ラングとコーンフェルドの弁護士が、この広告を見て二人にロバーツ達に会いに行く事を勧め、1969年2月、ついに4人は顔を合わせる。

ロバーツとローズマンにとって、異世界の「カウンターカルチャー」は、刺激と魅力に満ちたものと映ったようで、4人は共同で「 Woodstock Ventures Inc.」という会社を立ち上げる。最終目的は、スタジオ建設だ。その広報と資金集めのために、大型イベントを行うことにした。これがウッドストック・フェスティバルの原型だ。
20代前半の素人集団が、なぜあれほどの大物ミュージシャンを束ねられたのか。

それは、やはりお金。ロバーツとローズマンの資金力を背景に、相場の2倍のギャラをばらまいたのである。出演料の上限設定(1万5千ドル)は全く意味を成さなかった。ジミ・ヘンドリックスの要望は3万ドル。彼らはそれを呑んだ。2万5千ドルでイギリスのジョー・コッカーも初の訪米が決まった。

開催地に関しては、ウッドストックの街が小さすぎたため、代わりに近くのウォールキルという村で行うことになっていた。ところが開催1ヶ月前、ハプニングが起こった。地元住人の「フェスティバル反対」運動で、俄仕立てのゾーニング法が通過し、7/15に法的にウォールキルでの拒絶されてしまったのだ。
  
Bethel Woods Center for the Art 公式サイト:
http://www.bethelwoodscenter.org

地図:
http://ja.wikipedia.org/wiki/


NILEport NY : Ayano Matsumae

東京大学文学部・美学芸術学科卒業。東京で国内外のアパレル、イベント企画会社等を経て、フリーランスライターとなる。現在ニューヨーク在住、アート、ライフスタイル、フード・カルチャー等をカバー。


   



友達に紹介する

NILEport & NILE'S NILE
富裕層のプレミアムライフスタイル NILE'S会員募集中
  • ・毎月無料で会員専用雑誌をご購読
  • ・様々な会員特典・プレゼント
  • ・NILEport会員専用SNSのご利用
NILE'S会員について
無料会員登録はこちら

関連情報