NILEport(ナイルポート)富裕層向けウェブマガジン&会員制SNSコミュニティサイト

 
Trevor Paglen:Patches from Classified Military Projects, 2008
 
 
 Red76 The Battery:Republic/Journal of Radical Shimming Tavern, 2008
アメリカ大統領選がクライマックスを迎えようとしている。

「アメリカ人は何でも派手なショーにする。ライトアップのあるイベントだ。」とは、『地獄の黙示録』制作中のコッポラ監督の言だったと思うが、大統領選挙も、その盛り上がり方を見ていると、候補者達は、さながら全国行脚のロックスターのようだ。

もちろん、度重なるディベートで鍛え上げられた刃のような演説は明瞭で分かりやすいし、政策についての議論は国の隅々で白熱する。それはそれで結構なことだ。

ところで、世間が選挙にわき上がる中、「アメリカの民主主義とは何ぞや?」と、アメリカ社会の土台を問う大掛かりなアートプロジェクトが行われた。企画実行は、先鋭的なパブリックアートプロジェクトで知られるニューヨークのNPO、『Creative Time』。

 
Rachel Mason:Kissing President Bush, 2004 
プロジェクト名は「デモクラシー・イン・アメリカ(アメリカの民主主義)」。19世紀前半の古典的名著のタイトルをそのまま戴いた。

この本の著者はフランスの自由主義を代表する思想家・政治学者、トクヴィル。トクヴィルは、1831年から32年にかけてアメリカ全土を旅し、国家独立後のアメリカの民主主義の実態と展望、その本質を探った。

 
 ホール展示光景
それから170余年が経ち、今回全米を旅したのは本展のキュレーター、Nato Thompson氏。氏は全米各地でデモクラシーや自由をテーマに活動を行うアーティスト達と話し合い、4つのプロジェクトをナショナル・コミッションと指定。

 
Jon Kessler:The Time Was Now, 2008 
ナショナル・コミッションは全米の6都市を巡回し、そのいくつかはディベート真最中だったデンバーやセント・ルイスでも上演。各地での模様は映像に記録され、この度最終地となるニューヨークで展示された。

展示会場は、19世紀の工芸の粋を集めた重厚美麗な建物と、広大な軍事訓練ホールから成る、パーク・アベニュー・アーモリーだ。

 
 Shanon Hayes:REVOLUTIONARY LOVE
これ以上ぴったりな会場はない。

壁では、南北戦争の殉死者が讃えられている。『南北』の意味は、今と違って重かったことを想起させる。

 
Magdalena Jitrik  Gathered, 2008 
さらに、今回、1862年のリンカーン大統領の奴隷解放宣言、1787年アメリカ合衆国憲法の原本等、民主主義の中心となる歴史的資料を特別に展示。入場門には、ネイティブアメリカンのかつての英雄達が描かれたバナーが掲げられる。

ナショナル・コミッション以外も含めると、展示作品は40以上。その中から、いくつかを次に紹介する。

 
Photo by Ayano Matsumae


NILEport NY : Ayano Matsumae

東京大学文学部・美学芸術学科卒業。東京で国内外のアパレル、イベント企画会社等を経て、フリーランスライターとなる。現在ニューヨーク在住、アート、ライフスタイル、フード・カルチャー等をカバー。


  



友達に紹介する

NILEport & NILE'S NILE
富裕層のプレミアムライフスタイル NILE'S会員募集中
  • ・毎月無料で会員専用雑誌をご購読
  • ・様々な会員特典・プレゼント
  • ・NILEport会員専用SNSのご利用
NILE'S会員について
無料会員登録はこちら

関連情報