トップページ
車、船、飛行機
時計、宝飾
旅行、ホテル
ファッション
ヘルス、ビューティ
グルメ、レストラン
インテリア、不動産、建築
オーディオ、ヴィジュアル、その他
アート、映画、音楽
ビジネス、資産運用
Shanon Hayes REVILUTIONARY LOVE 1 [Photo: Andrew Clark Photography]
Center for Tactical Magic Tactical Ice Cream Unit, 2005 [Photo: Ayano Matsumae]
ホールに、ニューヨークではよく見かける、アイスクリームトラックが停まっている。小窓からスタッフが顔を出し、人々に注文を聞いてアイスキャンディーを手渡している。
普通のアイス屋と違うのは、アイスが無料で、関心ある社会テーマを伝えると、カラフルなビラがおまけについてくること。その内容は、アクティビスト達の活動記録や提案、政府が隠蔽した事件についてのレポート等。さらに、このトラックは、精密な監視装置と通信装備を搭載した、ポリス顔負けのハイテクトラックだ。今回のプロジェクトでは、ブルックリンやクイーンズの公園を回り、スイートな楽しみと「考えるための糧」を配って来たと言う。
Steve Power Waterboard Thrillride 2 [Photo: David Smith]
Steve Power Waterboard Thrillride [Photo: David Smith]
これはNYの地下鉄の終点にある、浅草の"花屋敷"のような古い遊園地『コニーアイランド』での展示映像だ。アーケードの壁に、鉄格子の覗き窓がある。1ドルを投入すると、けたたましい音楽とともに室内が照らされ、目隠しをされた等身大の囚人(もちろん人形)の水攻め拷問ライブが始まる。壁にはウォーターボード(水攻め拷問)の手順が図解されている。アメリカで採用されている拷問方法だ。
Shanon Hayes REVILUTIONARY LOVE 1 [Photo: Andrew Clark Photography]
詩的で深い内容が、クリティックからの高い評価を集めた作品だ。8月27日と9月1日、民主党と共和党のナショナルコンベンション各開催地において、ゲイ、レビアン、トランスジェンダーの人々が、風変わりなラブレターを大合唱した。宛名は個人か団体か、性別さえも特定されていないが、明らかにパワーを持った人格だ。70年代のゲイ/レズビアン解放運動の資料を用いて、戦争と愛と政治の関係を描き、愛の可能性と、新たな方法で世界を見直すことを訴えかけた。
Critical Art Ensemble and Institute for Applied Autonomy
Selected elements from the exhibition SEIZED,2004-2007 [Photo: Ayano Matsumae]
小部屋の中央にはピザの空き箱や黄色いテープなどのゴミの山。テーマはゴミ問題かというと、そうではない。これは、2004年、テロ対策法『PATRIOT ACT*』の下に、FBIがスティーブ・カーツ教授の家宅捜査を行った際に置き去りにしたゴミである。カーツ氏は、様々な手法でテクノロジー、政策、批判理論についての探索を行い、世界で高い評価を受ける『クリティカル・アート・アンサンブル(CAE)』創設者の一人。2004年にバイテク・アート展の準備をしていたところ、バイオ・テロリズム容疑で告訴された。この事実を、ゴミと資料で展示した作品『 SEIZED』は世界的な反響を呼んだ。国際的なアートコミュニティーが、表現の自由というテーマに盛り上がった。
* PATRIOT ACT・・・ブッシュ政権が9.11後にテロ防止の名目の下に設定した、特別な手続きなしに個人の私生活を捜査できる制度
Chitra Ganesh & Mariam Ghani Index of the Disappeared: Codes of Conduct, 2008 [Photo: Ayano Matsumae]
荒らされた書斎。切り刻まれた書類が散らばっている。棚や机上に置かれているファイルは飾りではなく、自由に読むことができる。それらは、9.11以降に、移民や異論を唱えるコミュニティーに対して行われた抹消行為に関する公式文書、二次的文献、証言のアーカイブだ。人々の消滅、送還、拘留を可能にするための検閲機能とデータ抹消の軌跡を空前のスケールで辿っているが、さらにそれらの資料に関連する意見やアイデアを収集し、これから様々なスペースでサイトスペシフィックなアートにするためのアーカイブにするという目論みだ。
Chitra Ganesh & Mariam Ghani Index of the Disappeared: Codes of Conduct, 2008 [Photo: Ayano Matsumae]
他にも紹介したい作品はたくさんあったが、歪んで拡大された国家権力を様々な方法で取り上げて告発する様子は、戦うアートの見本市のようだった。7日間の展示期間中、毎夜のようにレクチャー、討論会、パフォーマンスを上演。内容の濃さに対して、期間があまりにも短かったが、これも戦術だったのだろうか。
Creative Time 公式サイト:
http://creativetime.org/index.php
NILEport NY : Ayano Matsumae
東京大学文学部・美学芸術学科卒業。東京で国内外のアパレル、イベント企画会社等を経て、フリーランスライターとなる。現在ニューヨーク在住、アート、ライフスタイル、フード・カルチャー等をカバー。
↑ 記事のタイトル名から検索する
・毎月無料で会員専用雑誌をご購読
・様々な会員特典・プレゼント
・NILEport会員専用SNSのご利用
NY Report vol.122 Mike + Doug Starn(マイク+ダグ・スターン )インタビュー(4)
NILEport International ニューヨークレポート
NY Report vol.121 Mike + Doug Starn(マイク+ダグ・スターン )インタビュー(3)
NY Report vol.120 Mike + Doug Starn(マイク+ダグ・スターン )インタビュー(2)
NY Report vol.119 Mike + Doug Starn(マイク+ダグ・スターン )インタビュー(1)
NY Report vol.118 フードコンサルタント真保裕子さんインタビュー(2)
NY Report vol.117 フードコンサルタント真保裕子さんインタビュー(1)今、日本食を外国に伝えること
NY Report vol.116 ニューヨーカーの寿司作り
NY Report vol.115 ニューヨーク最大のアートショー、アーモリーショー開催(2)今年の傾向
NY Report vol.114 ニューヨーク最大のアートショー、アーモリーショー開催(1) 景気とショーの変化
NY Report vol.113 世界最大のロモグラフィーショップがニューヨークにオープン
NY Report vol.112 A Night at the Museum(2) - 夜のミュージアムで自然の神秘を体験
関連記事一覧はこちら