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今こそ「堅実な投資」を今こそ「堅実な投資」を今こそ「堅実な投資」を今こそ「堅実な投資」を
復活しない相場はない
「過去57年間を振り返れば、世界を揺るがすような時代の浮き沈みや悲惨な出来事にもかかわらず、堅実な投資原則に従えば概して手堅い結果を得られるという事実は、常に変わることがなかった」
これは、アメリカの経済学者ベンジャミン・グレアムが1930年代に語ったもの。今だからこそ噛み締めたい言葉です。
藤野英人(ふじの・ひでと)
これまで、オランダのチューリップバブルに始まり、南海バブルや鉄道バブル、世界大恐慌にブラックマンデーなどなど、クラッシュは過去何度もありました。ほぼ10年に1度、中規模のクラッシュがあり、30年~50年に1度の割合で大恐慌が襲ってくると言われています。今回の金融クラッシュもその1つにすぎず、そこで我々が思い出すべきは「復活しない相場はない」ということです。
資本主義の基本とは、社員の労働が企業の生み出す付加価値となり、株式の価値となること。しかし暴走した金融テクノロジーによって増幅された株式の価値が、その基本からかけ離れてしまった。今回の金融クラッシュの問題はそこにあります。資本主義の基本へと立ち戻る途上にある今こそ、グレアムの言う「堅実な投資原則」が意味を持ち始めるのです。
それはつまり、厳しいマーケット状況にあっても勝ち組企業となり得る「財務力」「ブランド力」「経営力」の3つの条件を備えた優良企業の割安株に投資をするということ。しかも、今はその絶好のチャンスなのですから。
しかも、日本にはまだまだ投資にまわせるお金が眠っています。日本人の個人金融資産約1545兆円のうち、株式が10・7%で投資信託が4・7%、預貯金は50・8%と約半数を占めています。
他の先進国と比べても驚くべき数字ですが、だからこそ今回の金融危機に際してもそれほどの被害を受けてはおらず、これだけの現金が残っているのです。
個人金融資産の約50%を占める預貯金のうちその10%だけでも株式市場にまわることになれば、その額は約75兆円にもなる。これは米国の金融危機対策案の予算額にも匹敵する数字です。
しかも昨年11月には個人投資家の株式買い越しが過去最高を記録するなど、個人投資家が動き出している。その意味でも、今は投資のチャンスと言えるのです。
「堅実な投資」を実現する銘柄はどんなものが考えられるでしょうか。たとえば、今後も円高傾向は続くでしょうから、円高メリットを享受できる企業が狙い目かもしれません。キーワードは“内需型企業の海外進出”です。
一方、眠った獅子が動き出す気配もある。たとえば野村ホールディングスのリーマン・ブラザーズのアジア・パシフィック地域の主要部門の事実上の買収や、三菱UFJフィナンシャル・グループのモルガン・スタンレーへの出資など、これまで国内にとどまっていた企業の海外進出にも注目したい。
ほんの数年前まで言われていたような「ハゲタカにのっとられる」とは逆の事態が進行しつつあるのです。「ある日突然上司が外国人に」ではなく、「ある日突然部下が外国人」になるケースも増えてくるかもしれません。つまり、買われる開国から、買う開国へ。日本企業が真のグローバル企業へと変身する「開国のチャンス」がきていると言えそうです。
利益を生む投資の鍵は正直で有能な経営者
その他にも内需の生活防衛銘柄や株価が下がり過ぎている世界的な優良銘柄、ニッチグロース銘柄、新産業銘柄、環境銘柄、電気自動車関連銘柄、LED・有機EL・コスメディカル関連銘柄、不動産企業の勝ち残り銘柄などさまざまありますが、次のウォーレン・バフェットの言葉は大きなヒントとなるはずです。
「底値で買わなければならない、ということではありません。その企業が持っていると自分が考える価値より安いこと、そして正直で有能な人々によって経営をされていることがポイントです。逆に言えば、株価がその企業の価値よりも安く、しっかりとした経営陣であると確信できるのであれば、そこで利益を生むことができるのです」
ここで言う「自分が考える価値より安い」銘柄を見つけるのは、現状ではそれほど難しくありません。「正直で有能な経営者」については、日本の特徴でもありますし、これまでは歯がゆい部分でもありましたが基本に立ち返るべき時には、こうした経営者が求められるのです。
株価がその企業の価値よりも安いと思われ、かつ有能な経営者のいる企業に投資をすることで、この未曾有の不況下にありながらもしっかりと利益を生むことができる。それはつまり冒頭のグレアムの言う「堅実な投資」でもあります。投資資金もあり、経営者を見る目に長けた会員には絶好のチャンスだと言えるでしょう。
藤野英人(ふじの・ひでと)
1966年、富山県生まれ。90年、早稲田大学法学部を卒業後、野村アセットマネジメント、JPモルガン・アセット・マネジメント、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを経て、2003年、レオス・キャピタルワークスを設立。日本株のファンドマネージャーとして豊富なキャリアをもち、中小型株式市場に対する造詣が深い。著書に『スリッパの法則――プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方』(PHP文庫)、『トップファンドマネジャーの負けない株の黄金則』(ビジネス社)、『金のなる木は清い土で育つ』(経済界)など。東証アカデミーフェロー、明治大学の非常勤講師等を務める。
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