コーヒープレスで極上の味わいを
サントリーでは「復活の香り」の淹れ方のひとつとして、コーヒープレスを推奨している。コーヒー豆の持つすべての成分が抽出されるため、コーヒーの香りや味わいが凝縮されたコーヒーが楽しめる。一方、雑味も抽出されてしまうため、雑味のない品質の良い豆にこそ向いているという。その点、「復活の香り」には最適の淹れ方だろう。現在、サントリーではコーヒープレスとコーヒー豆をセット販売している。「オリジナルブレンド」、「爽やか酸味ブレンド」、「ふくよかコクブレンド」、「香りのデカフェブレンド」の4種類のブレンドの中から好みのものをセレクトしてほしい。

Mane Alves(マネ・アルベス)
アメリカスペシャルティコーヒー協会(SCAA)テクニカルスタンダード委員長。1956年リスボン生まれ。同団体の活動はボランティアだという。香味評価のスペシャリストとして世界的な存在。
2008年に公開された『おいしいコーヒーの真実』は、優れたドキュメンタリー映画として批評家から賞賛された作品だ。取材の緻密さと同時に、コーヒーという日常的な存在のルーツをたどると、深刻な貧困に突き当たるという内容に驚いた人も多いのではないだろうか。赤道を中心に北回帰線と南回帰線を北端と南端とする「コーヒーベルト」と呼ばれる地域でのみ栽培可能なコーヒー豆は、驚くほど安く買い叩かれ、生産に従事している人々には最低限の賃金しか支払われていない。
この現状の変革を目指し活動しているのがSCAA(アメリカスペシャルティコーヒー協会)だ。スペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質のコーヒー豆の基準作りと普及、啓蒙活動などを行っている団体である。これまで大量生産・大量消費の対象だったコーヒー豆に、高品質という付加価値を与えることで、生産者は価格の安定と上昇が見込め、消費者はおいしいコーヒーが味わえ、選択の幅も広がるのだという。流通業者、卸売業者、販売業者にとっても、既存の市場の熟成、新たな市場の開拓という利点もある。
サントリーの初めてのレギュラーコーヒー「復活の香り」も高品質でおいしいレギュラーコーヒーを提供したいという想いから開発された。開発にあたって目指したのは、かつてはもっと華やかであったといわれるコーヒーの香りを復活させること。今でも昔ながらの方法でコーヒー豆が作られている場所で遭遇した自然発酵にヒントを得て、現地の生産者とともに8年あまりの歳月をかけ、かつてのコーヒーが持っていた華やかな香りのコーヒーを復活させた。
そんな「復活の香り」を、先日来日したSCAAのテクニカルスタンダード委員長を務めるマネ・アルベス氏に評価していただいた。「『復活の香り』はブレンドであるため、厳密にはスペシャルティコーヒーとは呼べません。しかしストレートの世界でいえば、スペシャルティコーヒーといえる出来上がり。総合的に見て、素晴らしい出来ばえですね。発酵が生み出すこのフルーティーな味わいからは、生産に携わった人々のこだわりが伝わってきます」
SCAAでのマネ氏の主な活動はスペシャルティコーヒーの基準作りと、教育。特に教育活動に強く力を入れているという。同団体の活動以外に、Coffee Lab International(コーヒーの研究、教育コースの実施など)と、小さな焙煎工房も経営している。なかでも焙煎工房は「自分で焙煎しなければ分からないことがあるため」に設立したというほど。同氏がこれほどにスペシャルティコーヒーに情熱をかける理由は「品質に問題のあるコーヒーが多すぎるから。農家は自分の生産したコーヒーの味すら知りませんでした。しかし、我々の活動の成果もあって、その意識は変化しています。マーケットも、コーヒーへの知識が深まり、さまざまなニーズが生まれたことから細分化してきましたね」
最後にマネ氏にとってコーヒーとはなにか尋ねると「Pleasure(喜び)」という答えが返ってきた。前出の映画に出演する農家の人々の表情を想うにつけ、同氏やSCAA、サントリーの取り組みをきっかけに、この“喜び”がレギュラーコーヒーに関わるすべての人々に広がっていくことを願わずにはいられない。
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