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ファンダメンタル投資成功の4パターン 山口揚平ファンダメンタル投資成功の4パターン 山口揚平ファンダメンタル投資成功の4パターン 山口揚平ファンダメンタル投資成功の4パターン 山口揚平

今後の株式相場の見通しは不透明だと言っていいでしょう。しかし、実体経済とお金の流通量のバランスを考えればある程度先行きはみえてくるかもしれません。

1999年に約5000兆円あった市場に出回るお金は2007年には約2京4000兆円と約5倍に膨れ上がりましたが、この間実体経済は約2000兆円から4000兆円と約2倍にしかなっていません。あまりに多くのお金が出回り過ぎていたわけです。金融クラッシュ後の今は、わかりやすく言えば増え過ぎたお金を吸い取っているところ。実体経済とデリバティブ経済は本来なら相似形でなければならないわけですから、お金の量が減れば株価が下がってもおかしくはない。ただ、どれだけ下がるかがわからない。そういう状態でしょうね。確かなこととして言えるのは、株式が総じて割安であるということです。

私の投資手法はファンダメンタル投資です。そこには大きくわけて、4つのパターンがあります。まずは超優良企業の株を大暴落相場で買う。今ならたとえばキヤノン、タケダ、コマツ、ユニ・チャームなど日本を代表する企業の株ですね。

もう1つが、たとえばPER(株価収益率)が5倍以下、PBR(株価純資産倍率)が0・4倍以下という超激安株を買うパターンです。現在のような相場ではただの割安株でもダメ。バーゲンセールで半値で購入した服がたいていタンスの肥やしになってしまうように、中途半端な割安株ではなく、定価の90%引き程度の超激安株を狙います。 「ステージアップ型」と「再建型」

残りの2つは、ステージアップ型と再建型企業の株を適切なタイミングで購入するという、成功パターンです。

山口揚平(やまぐち・ようへい)

企業の業績は直線的な伸びをみせることはまずありません。山あれば谷あり、紆余曲折を経ながら伸びていくものです。ただ、ある段階を過ぎると急激に利益が上昇しはじめることがある。企業にとっての変革点となりうるポイントの直前、それがステージアップ型企業に投資をする絶好のタイミングです。

そこにはいくつか条件があります。まず、比較的規模の小さい会社であること。また、売り上げが伸びても同じだけコストがかかっては利益があがりませんから、ストック型のビジネスモデルのところが良いでしょう。

4つ目の再建型とは、今まさに資金を注入することで建て直しを図ろうとしており、再建された暁に株価の上昇が見込まれるケースです。

以上4つのタイプの投資が、ファンダメンタル投資の成功パターンであると考えます。  そもそも投資とは、価値より低い価格で仕入れて高く売り、そのギャップを利益とすることです。実際の企業価値よりも安い価格で買い、そのギャップが最大となるタイミングで売ること。それがこの4つの成功パターンなのです。

ただし、現在のように市場にお金が不足している時代においては、「超激安型」と「再建型」は厳しいと言わざるを得ません。2004年から2006年にかけて私は実際、これらの企業に投資をしていました。たとえば企業そのものは優良ではないが、合併されるなど社会環境が好転することで株価が大幅にアップするケースも少なくなかったのです。しかし、社会環境が厳しさを増す時代には、「超優良企業を暴落相場」で、あるいは「ステージアップ型の企業を適切なタイミング」で投資すること、この2つのパターンが成功の鍵を握ると言えます。

注目すべき投資テーマは「水」と「教育」

低成長時代に入った日本経済とはいえ、ものづくり企業は重要な投資先の1つとなるでしょう。次代の有望なビジネスとして期待される「農業」も大きなテーマの1つではあります。ただし、日本の食料自給率は49%と他の先進国と比べてことさら低い水準ではありますが、実際には無駄に廃棄されている食物の量を減らすことで80%まで引き上げることができるとも言われています。そんななか「農業」よりも大きなテーマとなるだろうと見られているのが「水」です。「水インフラ」は、古今東西の人類にとって最重要課題であるはず。たとえば、水の濾過装置や触媒技術など、水処理技術に強い企業に着目するのも良いでしょう。実はそれらの繊細な技術をもっているのは、ほとんどが日本企業なのです。

もう1つは「教育」。やがて訪れる知識社会においては、知識なくしては価値を創造することが難しくなる。そんな時代には教育や知の伝播に寄与するサービスの需要が高くなるはずです。

次代の日本の産業に貢献するかもしれない優良企業が必ずしも良い投資先とは限りません。しかし、そうした企業に対して、より多くのお金を流通させるべく投資をすることも、長期的にみれば日本経済全体にとってだけでなく我々にとってもひじょうに大切なこと。それはビジネスで成功している会員の方なら、よく理解していらっしゃるでしょう。

山口揚平(やまぐち・ようへい)
ブルー・マーリン・パートナーズ代表取締役。早稲田大学政治経済学部卒業。トーマツ コンサルティング、アーサー・アンダーセン、デロイト トーマツ コンサルティング、M&Aコンサルティングファームを経て現職。企業再生ビジネスの第一線で活躍。多数の大型買収案件に参画するなかで外資系ファンドの投資手法や財務の本質を学ぶ。現在は、コンサルティング、講演などでニッポンの個人投資家の啓蒙活動に従事。著書に、『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)など。

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更新日:2009年4月28日

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