タカラヅカの代表作のひとつとして高い人気を誇る『エリザベート』。7度目の上演となる月組公演が幕を開けた。美しい皇妃エリザベートを愛し、追い求め続ける黄泉の帝王・トート。演じる男役トップスターの瀬奈じゅんは、 '02年にエリザベートを暗殺するルキーニを、 '05年にはエリザベートを演じた。今回のトートを加え、世界で初めて3役を1人で演じる快挙となった。
トートとは、「死」そのものである。人間を愛してしまった「死」を演じる難しさは想像に難くない。しかし緻密な人物造形に基づいた演技で、圧倒的な存在感を放つ“黄泉の帝王”となった。トップスター就任5年目を迎え、歌、演技、ダンスのすべてに円熟と風格がにじむ。同時に常に観客の期待をいい意味で裏切るのも瀬奈じゅんならでは。今回も、強大な力をもちながら、エリザベートの生命力あふれる魅力に翻弄され、時に傷つくという“人間味”を繊細に表現し、世界中で演じられてきたトート像に新たな一面を加えた。
エリザベートを演じるのは、宙組の男役、凪七瑠海。自由を求め、時代と闘い続けた女性の凛々しさと深い孤独を高い歌唱力とともに演じきっている。皇帝としての責任とエリザベートへの愛との狭間に悩むフランツを演じる霧矢大夢には、抑えた演技のなかにタカラヅカならではの“男の美学”が光る。
「死」と、時代に翻弄される皇妃との愛。深いテーマをタカラヅカ随一の若さを誇る月組が極上のエンターテイメントに仕立てた、とっておきのミュージカルだ。
宝塚歌劇 月組公演
『エリザベート -愛と死の輪舞-』
脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ 音楽/シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナル・プロダクション/ウィーン劇場協会 潤色・演出/小池修一郎
【東京宝塚公演】
2009年7月10日(金)~8月9日(日)
SS席11,000円、S席8,500円、A席5,500、B席3,500円
TEL03-5251-2001
更新日:2009年6月23日












