「大人の装いと自分らしいイメージの創出」をテーマに、髙橋みどりさんがゲストをお招きして豊かなひととき。2回目は料理研究家の松田美智子さんと、「料理とファッション」をめぐって語らいました。
髙橋: 松田先生はお料理のクリエーションもさることながら、お洒落がとても上手だという印象があります。お仕事をする時の装いで注意なさっていることはありますか。
松田: 何よりもお料理が一番、と思っていますので、教室にいる時にはトップには白、黒、グレーなどモノトーンのTシャツが多いですね。ボトムはというと、仕事がしやすい、お料理が映えるものをポイントに選んでいます。花柄は着ませんね。花はやはり生花が一番美しいですから。
髙橋: メディアに登場されることも多いですよね。その都度、コーディネートを考えていらっしゃるんですか。
松田: 使い回せるものがいいですね。素材が良くて体にフィットするTシャツはやはり便利です。あとはそうですねえ・・・・、スカーフやブローチを組み合わせて状況に合うような工夫をしています。
実は、今回初めてTシャツを作ったんですよ。でもねえ、お料理やお料理道具作るのとは、やっぱり違う。大変でしたよ。ファッションデザイナーは凄いなと改めて思いました。エプロンくらいなら、どういう風に作ったらいいかわかりますが、Tシャツは難しい。自分の範疇を出てはいけないのかもしれませんね。
髙橋: そのTシャツ作り、どんなことにこだわったんですか。
松田: アラフィフティー(50代周辺)のための、ある程度ボディメイクされているものが欲しくて。シンプルで素材がよくてその人のパーソナリティが出るようなもの、それでいて身体が美しく見えて動きやすいものですね。
髙橋: 動きやすいというのは私たち働く女性には重要なことですね。ところで今主流になっている食はどのようなものですか。
松田: やはり、素材の味が活きたものが一番美味しい。調味料を多用したり調理が複雑だったりするような料理では素材の味が損なわれてしまいます。これでは次世代に素材の味を伝えていくことはできません。だからどれだけ調味料を減らせるかということを考えていて・・・・。
日本の食文化では「さしすせそ」という基本がありますから、それを化学的にバランスよく組み合わせていけば素材の味が立ち、簡単で美味しいものができるんですよ。手間をどれだけかけるのかは、その都度考えていけばいいと思います。たとえば、胡麻和えを作る時に、今日は時間があるからちゃんと胡麻をすり鉢に当てよう、あるいは今日は時間がないからすり胡麻をレンジで加熱するだけにしようとか。自分なりに工夫すればいい。そうしないといけないと思いますし。
洋服でも、理由があってその人のスタイルに合ってさえいれば、極端な話、後ろ前が逆になっていてもいいわけですよ。料理を教えていく者としてそういうことも伝えていければいいなと思っています。
髙橋: 先生の本を読ませていただくと、今おっしゃったことも含め、気づかされることが多いです。それに先生はご自分に合うものをよくご存知ですね。スタイルをお持ちなんですね。ちなみにこれまでにファッションで失敗したことってありますか。
松田: 衝動買いした時でしょうか。やはり自分がいつも決めているもの、自分の雰囲気に合っているものを大切にしないといけませんね。
髙橋: 働く女性としてこだわっている装いは。
松田: なんといってもTPOが大切だと思います。教室で生徒さんに教える時、企業を訪問する時、それぞれの場とその日の目的に合わせることがポイントです。最近は、ちょっと着崩していて、それがとてもいい雰囲気を出している人を見つけるとハッとします。
いかにもブランドというのではなく、品格があって、心地よさそうに装っている人。実は私、母が昔ながらの厳しい人だったものですから、ある意味型にはめられて生きてきたんです。やっと最近になってその殻を打ち破れるようになって。これからは年を重ねた先輩の生き方を拝見しながら将来の自分のあるべき姿を考えたいですね。
髙橋: 同感です。年を重ねてなお美しく生きることにこだわりたいと思います。そう考えていた時に出会ったのが、「ブルネロ クチネリ」というブランドでした。このブランドは人生の経験を重ねていないと着こなせないので、成熟した世代にこそふさわしいと個人的には思います。先生もこのブランドをご存知だったようですね。
松田: たまたまクチネリのカタログを拝見していた時に、ライターさんが「そのブランド、先日先生がたまたま雑誌か何かでご覧になって、いいわねっておっしゃっていたものですよ」と言われて。ああ、そうだったのかと。
いかにもブランドというのではなく、遊び心と可愛らしさがあって、素材が心地よくて品格がある、それに動きやすい。クチネリはそんな服ですね。着ていると楽しく軽やかな気持ちになります。
髙橋: でも本当に先生は楽しく日々を送っていらっしゃるんですね。
松田: やはりこちらが楽しくないと、教室にいらしてくださる方も楽しく過ごせませんから。できるだけ美しいものを見てそれに馴染んで、その想いを生徒さんとも共有しながら生きていきたいですね。
髙橋: 機会があればぜひ私もそんな楽しい教室にお邪魔してみたいです。本日はお忙しいところ、お時間を割いていただきありがとうございました。
松田 美智子
1955年東京生まれ。女子美術大学卒業。1993年より「松田美智子料理教室」を主宰。季節感を大切に、お洒落で作りやすい料理づくりを心掛ける。加えて、現代人の悩みである、成人病、肥満を踏まえたオリジナルメニューを開発。また、日々の暮らしに生かせるテーブルコーディネート、フラワーコディネートを実践。そのほか、メニュー開発、システムキッチンの開発。料理本、エッセー、雑誌、テレビ、CM 、講演、パーティープロデュースなど多岐にわたり活躍。日本雑穀協会理事 料理研究家 テーブルコーディネーター
髙橋 みどり
1956年東京生まれ。法政大学法学部卒業。2005年6月にOens(オーエンス)を設立。人、企業、ブランドを応援したいという思いから、ブランドのPR、マーケティング、商品・店舗活用プロデュースだけでなく、原稿執筆、セミナー講師など活躍の場を広げている。
更新日:2009年7月10日














