NILEport(ナイルポート)富裕層向けウェブマガジン&会員制SNSコミュニティサイト

Brunello Cucinelli PERFECT IMAGE

対談 俳優 別所 哲也 × イメージングディレクター 髙橋 みどり Brunello Cucinelli(ブルネロ クチネリ)の世界 第4回

ファッションとスタイルをめぐるイメージング・ディレクター髙橋みどりさんとゲストとのトーク。第3回目のゲストは俳優の別所哲也さんです。「自分らしいイメージ」をテーマに語っていただきました。

俳優 別所 哲也

髙橋: 今日は「ショートショート フィルムフェスティバル」のお話も聞けると伺って、とても楽しみにしておりました。

別所: 僕のデビュー、実はアメリカなんです(1990年「クライシス2050」)。当時からアメリカではショートフィルムの世界があるのだということをそれとなくは知っていましが、やはり映画といえばハリウッドの長編大作に限るというような偏見もありました。「映画って短編でも面白いじゃないか」と思えるようになったのは97年ぐらいからですかね。

3ヶ月ほど向こうに滞在する機会があり、そのとき、改めてショートフィルムに触れて、開眼したというか…。

イメージングディレクター 髙橋 みどり

髙橋: それで1999年に前進の「アメリカン・ショート・ショート フィルムフェスティバル」を始められたんですね。その当時初めてお会いしてフェスティバルにも誘っていただきました。あれから10年以上がすぎましたね。でも認知されるまでには苦労もたくさんあったのではありませんか。

別所: 誰も道をつけていないところを開拓する。そんな感じでした。作品集めや、上映や開催会場などの申請など、バジェットスケールのレベルから考えていく作業もしなくてはならなくて・・・、いわばプロジェクトマネージメントみたいなことをやっていましたから、まあそれ相応に試行錯誤はありました。

髙橋: 俳優さんの仕事をしているとき、そうでないとき、どういう風にスイッチを切り替えていましたか。たとえば装いでも状況に応じて変えなければならない時がありますよね。

別所: ショートフィルムのマネージメントを始めたらスーツを着るケースがガーンと増えましたね。俳優の仕事なら、ジーンズ姿のようにカジュアルスタイルで現場に行けば、そこにスタイリストさんがスタンバイしていて役柄に合ったコーディネートをしてくれるでしょう。でも映画祭のために動いていると、東京都やアメリカ大使館などの行政機関に足を運ぶ機会も多い。
さらに協賛会社の社長さんを前にしたプレゼンテーションも欠かせない。自分で服装も考えないと。で、自ずとスーツになるわけです。時にはスーツにアタッシェケースで外資系の会社の受付に顔出したら「今日は何の撮影ですか?」なんて言われて。だから僕も「いまカメラ回っていますよ」なんて、僕も遊ばせてもらいました。

俳優 別所 哲也

髙橋: ケースバイケースで「別の自分」を演出しなければならないわけですね。

別所: まあそういうことです。でも、役者としてやりたいことも映画祭を通じてやりたいことも、根っこは一緒。要は人とつながりたいという想いが底流にあります。感動を分かち合いたいというのかな。いまやっている「J-WAVE TOKYO MORNING RADIO」(ラジオ)も同じです。視聴者の皆さんと一緒に楽しみたい。最終的に俳優、ラジオナビゲーター、映画祭の主宰、それぞれの役回りは、それぞれにアピールの方法がちがうから、時には右脳と左脳をギアチェンジすることはありますけど。

髙橋: 10年前と比べると動じなくなったのでしょうか?いろんなことに対して。それにタキシードがとても似合うようになったようにお見受けしました。日本の俳優さんでタキシードが似合う人ってなかなかいないんですよ。

別所: ありがとうございます。アカデミー賞の現地レポートを7年間くらいNHKでやっていたこともあり、世界の映画祭に呼ばれる機会も増えて、タキシードをカッコよく着こなしているセレブもたくさん見てきましたから。

クリント・イーストウッドやジャック・ニコルソンのような憧れの往年の俳優さんから、トム・クルーズ、ヒュー・グラント、ジョージ・クルーニーのような第一線で活躍している同世代の俳優さん。ほんとにみんなすごくカッコいい。こういう人たちが手本になっているのかもしれません。

髙橋: 映画祭で訪れた国で特に印象に残っているところは?

イメージングディレクター 髙橋 みどり

別所: それはもう、ブラジル。クラシックなイタリアの世界が匂い立つような情景に随分遭遇しました。リオやサンパウロの空港でも、駅でも、靴磨きの少年たちがいて、その子たちがハンティング被っていたり、シャツの襟を立てていたり。その姿がすごく小粋でした。

もちろん大人たちのスーツの着こなしやチーフの使い方もうまい。まるで昔のイタリア映画の場面に紛れ込んだかのような錯覚に陥ってしまいました。

そんなわけでブラジルはめちゃくちゃ印象に残っている。現地でスーツも仕立てたんですよ。これもすごく作りがよくて感動しました。

髙橋: ちょっと意外。

俳優 別所 哲也

別所: でしょう。機会があったらぜひ訪ねてみてください。

髙橋: 私、ラテンのノリが好きなのでハマっちゃいそうです。

別所: いや、絶対ハマりますよ(笑)。

髙橋: ところでふだんはどんなスタイルがお好きですか。自分らしさを演出できる着こなしというのは?

別所: 夏は麻のパンツのようにサラっとしていてフィット感もいい服、かな。

髙橋: 以前、サイズ探すのが大変だって言ってましたよね。

別所: 今はほとんどのブランドに大きなサイズが揃っているからそれほど苦労しませんが、細身のラインが流行ったときにはちょっと困った。何しろ、レスラー体型なので(笑)。

髙橋: いえ、そんなことはないですけど、日本人には珍しい厚みのある洋服の似合うボディだと思います。

別所: そうかもしれません。シャツの胸元をガッと開いてきれいに見せようとしても開きすぎちゃったりして。だからシャツはオーダーものにしようかなと。

イメージングディレクター 髙橋 みどり

髙橋: それ、いいかもしれない。とにかく服がよく似合う体型なんですから。そんな別所さんが海外の俳優さんでお洒落が上手だと思える人は誰ですか。

別所: やっぱり、ジョージ・クルーニーです。シンプルなスーツに白いシャツ。そんなごく普通の着こなしがサマになっている。

髙橋: 女性では?

別所: ケイト・ブランシェットが好きですね。演技もいいし。絶大なる美女という感じはしないけれど崇高なまでに美しい。魅力的です。

髙橋: 欧米では年を重ねてこそ生まれる美しさを認めていますものね。日本とはそこが違いますね。

別所: たしかに、日本では若い旬な時期にだけ光を当てると傾向がありますね。それでもしぶとくキャリアを重ねている人たちは、みんな自分らしく生きていると思います。

髙橋: 別所さんの場合もそうですよね。「ショートショート フィルムフェスティバル」が成長の糧になっているのではないですか。久しぶりにお目にかかって、すごく輝いている姿にびっくりしました。

別所: そう言っていただけるのは本当に嬉しいですね。

髙橋: 今回の対談のテーマ、「パーフェクトイメージ」についてどう思われますか。自分らしく生きている人を「パーフェクトイメージ」のある人と呼びたいのですが…。

俳優 別所 哲也

別所: ちょっと話がずれるかもしれないけど…。僕は楕円が好きなんです。円じゃなくて楕円。卵型とも違う。楕円って幾何学的に見ると軸が二つあるんですね。円っていうのは円周率によって作られた、ある意味パーフェクトイメージかもしれないけれど、僕の中では「パーフェクト」とはちょっと違う。実は建築物の中に楕円を作るのってむしろ円よりもずっと難しい。楕円のリビングルーム、楕円のエントランス。それは究極的な美でありながらなかなか実現しない。楕円は円や球体より柔らかくて美しい。

髙橋: それは別所さん自身の生き方に通じるものがあるのではないですか。

別所: そうかもしれない。映画祭の主宰と俳優、僕には二つの軸があると思っています。それがどちらも理想的な楕円になったら、それこそ「パーフェクト」じゃないですか。すごくしなやかな感じがするじゃないですか。しかも楕円って日常的にあるようでないカタチですから。ですからたまに見つけると妙に感動してしまって。最近もロケ弁食べていたらご飯が俵型になっているの見つけて「あっ、楕円だ」って(笑)

髙橋: 優しさや柔らかさって確かに楕円のイメージですね。

別所: 「レ・ミゼラブル」の舞台でジャン・バルジャンを演じたときにイギリスの演出家に言われました。「ジャン・バルジャン」は風に対してしなって大きく動く。しなやかな男なのだと。その時、思ったんです。「折れてしまうほど頑なではダメなんだ」って。裏を返せば楕円のようにしなやかなのがいいということですよね。

イメージングディレクター 髙橋 みどり

髙橋: その発想、最近私が気に入っているブルネロ クチネリというブランドの哲学にも通じます。しなやかで優しくて、着る人を精神的に解放してくれる。

別所: そもそもイタリアンブランドってどれもそれなりの雰囲気があるからカッコいい。この服もサラッとしていて軽くてサイズもピッタリです。着れば着るほどその良さをより深く理解できるようになる服なのかもしれない。経年バリューとでもいうのかな。そういえば、このブランドはペルージャが本拠地でしたね。中田ヒデがいたところだと気づいて一層愛着が湧きました。

髙橋: 地元では街とこのブランドが一体となっていて、「クチネリ村」と言ってもいいくらいらしいですよ。デザイナーでもあり社長でもあるブルネロ クチネリ氏は、自分らしさをどこまでも追い求めしなやかに生きている人らしいので。同じようにしなやかな別所さんは、これからどんなことをやりたいですか。

別所: やはり映画演劇には生涯関わっていきたい。プライベートでは家族の大切さを見つめ直すことかな。自分が家族を築いていくのはこれからの課題ですけど。

髙橋: 「ショートショート フィルムフェスティバル」も舞台もどちらも続けてさらに大きな存在になってください。そしていつまでもしなやかで素敵でいてくださいね。今日はありがとうございました。

俳優 別所 哲也 イメージングディレクター 髙橋 みどり

別所 哲也
1965年年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1990年映画「クライシス2050」でデビュー。その後テレビドラマ、映画、ラジオなどで活躍。また、1999年より「ショートショートフィルムフェスティバル」の実行委員会代表を務めている。

髙橋 みどり
1956年東京生まれ。法政大学法学部卒業。2005年6月にOens(オーエンス)を設立。人、企業、ブランドを応援したいという思いから、ブランドのPR、マーケティング、商品・店舗活用プロデュースだけでなく、原稿執筆、セミナー講師など活躍の場を広げている。

ブルネロ クチネリ プレオープニングレセプションにご招待

Brunello Cucinelli(ブルネロ クチネリ)

ブルネロ クチネリ 青山店
ブルネロ クチネリの世界 第1回
ブルネロ クチネリ 團 紀彦 × 髙橋 みどり
ブルネロ クチネリ 松田 美智子 × 髙橋 みどり
ブルネロ クチネリ 別所 哲也 × 髙橋 みどり
  • この記事をソーシャルブックマークへ投稿 :
  • Yahoo!ブックマークへ投稿
  • Googleブックマークへ投稿
  • livedoorクリップへ投稿
  • はてなブックマークへ投稿
  • deliciousへ投稿
  • Technoratiへ投稿
  • Diggへ投稿

更新日:2009年7月17日