「Touch of France」の日本代表として選ばれた井上圭三シェフは、どのような想いを抱きこの祭典に参加したのか?井上シェフの活躍や、華やかなイベントの模様をレポートする。
8月4日~8日、世界5カ国のシェフが腕をふるい、フランス料理と自国の食文化を融合させる食の競演『Touch of France』が、ニューカレドニアの中心都市ヌメアを舞台に初開催された。
フランス、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド各国からの代表のシェフが、5店のフレンチレストランへ赴き、現地シェフとのコラボレーションでスペシャルメニューを提供するというものだ。
「フランスからは遠い南太平洋にあって、ニューカレドニアもやはりフランス、ゆえにフレンチという美食の伝統があります」と話すのは、オーガーナイザーのヴィンセント・ポーチュガル氏。
「ニューカレドニア観光に大きく貢献する国のシェフたちが、現地シェフと交流し、料理の文化を磨き上げる。伝統的フレンチとそれぞれの国に特徴的な食文化が融合し、さらに美味となり洗練された、ニューカレドニアン・フレンチの今後の可能性が期待されます」とも語った。
日本から招かれたのは、レストラン『KEIZO』オーナーシェフの井上圭三氏。西麻布にある自身の店でも、フレンチをベースに和のエッセンスを取り入れた“KEIZO風”キュイジーヌの数々には熱烈なファンが多い。
「食文化の国際交流という趣旨にやり甲斐を感じます。和食ならではの発想と材料を取り入れ、日本代表として他国のシェフやお客様たちをびっくりさせてみたい」と抱負を語った。
ヌメアに到着した井上シェフは休む間もなく、今回の会場となるホテル『ラマダ・プラザ・ヌメア』最上階のレストラン『360°』を訪ね、シェフのディディエール氏との打ち合わせに入った。
日本から持参した昆布や味噌、柚子胡椒などの役割について説明し、厨房の様子を確認するなど、井上シェフの頭の中はすでに仕込みの手順に集中している。
「フレンチならではのバターや生クリームといった材料に合う日本の食材を使って“KEIZO風”メニューを考えました。
例えば『フラン』という茶碗蒸しのような一品は、フレンチでは専らフォアグラを使うところを、私は味噌を使って和の食文化の味わいを取り入れます。生クリームと味噌は、とても相性がいいんです。そして日本同様ここは海の幸も豊富なのもいい。ニューカレドニアで有名な『天使のエビ』は、日本でも使ったことがありますが、今回は本場でそれを料理できるのも大きな楽しみです」。
さらに、酢ではなくフランボワーズビネガーで昆布を〆たり、味付けの変化球としてワサビを用いたりと、伝統的フレンチに巧みなサプライズを加える技は、井上シェフの得意とするところ。滞在期間中は各国のメディアに囲まれ、取材攻撃を受ける人気だった。
オープニング当日、各国担当のレストランで来客をももてなした5人のシェフは、翌日からは他のシェフの店を食べ歩くことで、互いの評価をおこなった。
こうした国際文化交流を通じて、地元の人々にはさらなるフレンチグルメの悦びを、海外からニューカレドニアに訪れる人々へは、南太平洋でいただく極上フレンチの愉しみを広める催しとなった。
井上圭三
1962年福岡生まれ。小田原の「ステラ・マリス」で現タテル・ヨシノの吉野建シェフに従事。1991年渡仏、ブルゴーニュの「ジョルジュ・ブラン」、アルザスの「クロコディル」で修行。国分寺「シェ・ジョルジュ・マルソー」を経て2003年西麻布に「KEIZO」オープン。美味にして独自のKEIZOスタイルを提供してきた。10月上旬に西麻布に「フレンチレストラン KEIZO」をオープン予定。
http://www.keizo110.com/
ニューカレドニアに関する情報は、ニューカレドニア観光局Webサイトをご確認ください。
更新日:2009年10月13日









